安全・安心な農産物を生産するために、農薬の適正使用がなされることは大前提です。必要不可欠な資材である農薬ですが、農薬による事件・事故は、食の安全を脅かし、農薬に対する社会的な評価を低下させる大きな要因となります。
生産の現場、流通段階のどちらにおいても厳正な保管と適正な取り扱いがなされなければならない農薬を扱う者として私たちは、自らの研鑽と意識向上に励んでいます。
当組合は農薬の安全使用に向けて、北海道の農薬安全使用推進協議会と協力関係を築いています。農薬安全使用推進協議会は農政事務所などの関係機関・団体で構成される、農薬の安全使用の根幹をなす組織です。当組合も農薬安全コンサルタントの有資格者を対象とした安全推進活動に参画しています。
また、農薬の取扱者を対象とした農薬管理指導士制度については、当組合の多くの社員が資格を有し、5年に1度の更新講習会を受講しています。
時代とともに技術は進化し、遵守すべき法令も変化します。近年は特にめまぐるしい変革の時代であるといえます。
刻々と移り変わる時代のニーズに対応し、安全・安心な作物の生産をサポートし続けるために、知識と技術の研鑽の機会を提供する教育情報事業を当組合の最重要事業と位置づけ実施してきました。小売店、賛助会員、JAや生産者など幅広い対象に向けて学びの場を提供し、共に資質の向上を目指しています。
組合員関係のほか小売店・賛助会員なども参加し、毎年2月に開催しています。農薬技術研修会は、北海道農政部、北海道立総合研究機構などから講師を招き、 病害虫情報、農業・農薬に関する最新の情報について解説・講演をいただくなど専門的な内容を主眼とした教育の場です。日本国内の農業・農薬に関する話題、直面する課題などについての有用な情報を提供しています。
技術情報交換会、特別講演会、農薬基礎講習会を、組合員のほか小売店の社員にも受講の案内を行い、随時開催しています。このうち農薬基礎講習会は、全国農薬安全指導者協議会の指導農薬講習会とともに行っているもので、農薬販売に携わる多くの関係者のご参加をいただいています。
関係機関である全国農薬協同組合、一般社団法人北海道植物防疫協会へ、理事・役員として組合員が参画し、それぞれの事業推進に関わりを持っています。また、農薬工業会とも幅広く意見交換を行っており、農薬の期限切れ品返品問題など、懸案課題について協議の場を設けるなどしています。
植物には外科的処置ができません。防除は植物の健康を維持し、健全な食料生産を進める上で非常に重要といえます。しかし、一般消費者の中では農薬は危険なものというイメージが先行しているのが現状です。農薬の使用意義を理解していただく契機づくりも当組合の重要な任務と考え、農薬についての情報を外部へ発信する場を設けています。
また、組合員相互のつながり、ネットワークをより強固かつ活発にするための取り組みも行っています。
全国農薬安全指導者協議会と協力し、消費者に向けた講演会を不定期に開催しています。2004年には「ちゃんと知らなきゃ農薬ゼミ」を、2011年には「農薬どさんこ塾inさっぽろ」を開催し、農薬を使用する目的や農薬の果たしてきた役割、その使用にあたっては厳しい基準があることなどを、わかりやすく消費者に伝えています。
その他不定期で理事会、研修会、講演会などを開催しています